12月18日から22日までの5日間、台湾政府からの招聘という形で台湾に訪問してまいりました。
こちらは台湾の主要政党、行政機関、企業等を訪問し、台湾への知見を深めるという目的のもとで行われる取り組みです。私のボスの金村龍那代議士も今年7月に訪台して蔡英文総統や賴清德副総統(現総統候補)と面会しており、私も丁度外交に興味があったので良いタイミングでした。
訪台団のメンバーは、自民党13名(議員9名、党職員2名、民間2名)、立憲民主党7名(議員4名、秘書2名、党職員1名)、日本維新の会5名(議員1名、秘書4名)。
今回の視察は朝から晩までビッシリと予定が詰まっており、ゆっくりする間もなく気づいたら帰国していた様な5日間でした。本ブログでは、その様子をざっくりとレポートとして報告いたします。個々の詳しい内容については、また別途ブログにアップする予定です。
※渡航費、宿泊費等は台湾政府から支払われている為、日本政府の公費を使った視察ではありません。
1日目
外交部訪問
台湾の基本情報をレクチャーしていただき、意見交換。
華山文創園区を見学
ビールの醸造所をリノベーションしたカフェや雑貨屋、映画館などが集まる複合施設。若者や観光客が集まるオシャレエリア。台湾はこの様なリノベした建物が多く、まちづくりの参考に。
中国国民党を表敬訪問
来年1月に控える総統選、立法委員選に向けて、政策の意見交換。党内の職員議員含めて4割が女性であり、管理職は8割が女性という事に驚き。「台湾は政権交代が当たり前。政権を担う準備はいつでも出来ている。」と言い切る所に今の日本の野党には無い自信を感じる。また、親中派と言われる中で、黄介正 国際部主任の「私は中国共産党を30年研究してるが、支持はしない。ただ、我々は現実路線で中国共産党と向き合う方法を模索していかなければならない。」と発言。
2日目
新竹サイエンスパークを視察
東京ドーム140個分の敷地に、グローバルに活躍する台湾企業が本社や研究施設、工場を構えているほか、世界各国の先進科学企業の工場や支社も置かれている施設。台湾のシリコンバレーと呼ばれており、先端技術を多数紹介していただいた。
新竹鉄道芸術村を見学
1940年代に建てられた新竹駅の倉庫を芸術空間にリノベーションした施設。様々なアーティストがここに拠点を置いて創作活動に励んでいた。トイレにトイレットペーパーが無いのがネック。
新竹市立ガラス工芸博物館を見学
元は日本の皇族や高官が台湾を視察する際の滞在及び式典に利用する新竹州自治会館。その後、憲兵隊詰所などに利用され、現在はガラス工芸品の博物館となっていた。
新豊マングローブ生態保護区を視察
台湾で唯一の見学ができる生態保護区。生物や自然にはあまり興味なかったものの、台湾の自然環境を知る上では勉強になった。
3日目
外交及び国際事務学院で研修
・林賢参教授「東アジアの情勢と台日関係」
「中国と仲良くなろうとも、中国に染まることはない」「中国は中共ならず、中共は中国ならず」など印象的な発言多い。国民党寄りの論陣で、親中派であることを否定していた。
・矢板明夫産経新聞支局長「台湾の安全×日本の未来」
中国の選挙介入の例を学ぶ。国際情勢、内政状況、制空権を取れない現状などを含め、台湾有事はしばらくないと主張。台湾の選挙はトーナメント、日本の選挙はリーグ選という例えは面白かった。負けたら終わりという選挙の台湾の方が熱量高い。
士林官邸正館を見学
蒋介石の邸宅。
中正紀念堂を見学
蒋介石への哀悼の意で作られた建物。衛兵交代式の様子は圧巻。
台北101を見学
2007年まで世界で最も高いビル。エレベーターも2015年まで世界で最も早かったらしく、1階から88階まで37秒で着いた。展望台から見る景色は最高。
4日目
台湾民衆党を表敬訪問
来年1月に控える総統選、立法委員選に向けて、若手市議も参加し政策の意見交換。選挙事務所がかなりオシャレ。若者の支持が厚く、YouTubeやSNSなども積極活用。「台湾の運命を変えたいなら、台湾の政治文化を変えるべき」
総統府を見学
日本統治時代の台湾総督府。1919年に建てられ、当時は最も高い建物だった。
大陸委員会を表敬訪問
大陸政策の研究・立案、大陸情報の収集・分析などを担う行政機関。中国からの選挙介入などについて詹志宏副主任と意見交換。例として、台湾の町内会長を無料で中国に招待して接待するなどの、具体的な親中派工作の話とその対策などを伺う。
故宮博物院を見学
68万点以上の清朝をはじめとする時代の文物を所蔵。
5日目
民主進歩党を表敬訪問
来年1月に控える総統選、立法委員選に向けて、議員も参加し政策の意見交換。具体的な選挙戦略などを伺う。さすが与党、選挙事務所は多きなスクリーンやちょっとしたアトラクションもありボランティアや立ち寄りも多かった。グッズなどを販売し、その資金で事務所運営しているそう。
経済部国際貿易署を表敬訪問
台湾の経産省の様な行政機関。台湾の産業政策を学ぶとともに、日台の半導体産業やエネルギー政策について意見交換。自分は川崎市の環境審議会の委員も務めているので、その関連で再生可能エネルギーについて日本と比較して様々な議論を行った。
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