「まちやど」は、まち全体を一つのホテルと見立て、まちぐるみで宿泊客をもてなす観光形態のことを言います。街中にある各小規模ホテルと地域の日常(飲食店、銭湯など)をつなぎ、地域に根差した観光体験を作りだします。
詳しくはこちら:【地域資源をフル活用した新しい観光様式】いま話題の「まちやど」とは | WAGO TAIKI BLOG (taiki-wago.com)
旅の新たな様式として、全国でも徐々に注目を集める「まちやど(分散型ホテル)」。街中に点在する空き家・空き室をリノベーションし、ネットワーク化して一つのホテルとして営業する形態を言います。
川崎市では、ホテル・旅館・簡易宿所どれも「玄関帳場(フロント)」を各施設に必ず設置する様に義務付けられているため、フロントを1カ所に絞り部屋を街中に点在させる「まちやど(分散型ホテル)」は制度上認められておりません。
国では2018年の玄関帳場設置義務緩和の法改正が行われ、各自治体にも併せて条例改正するように通達がきておりますが、川崎市は「宿泊者の安全」と「善良の風俗の保持」などを理由に条例改正を行っておりません。
川崎市議会では、これまで「まちやど」に言及して旅館業法施行条例に触れた議論はなされておりませんでしたので、そこで、我が党会派の議員を使って市の認識を市議会で改めて確認しました。
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以下、我が党会派の市議と担当部署の議会におけるやり取り
【市議】
本市における平成30年(2018年)の法改正からの玄関帳場の対応は?
【答弁】
旅館業における「玄関帳場」は、一般的には「フロント」と呼ばれる受付設備。宿泊者の確認を適切に行い、緊急時における迅速な対応などの役割を担っている。
平成30年の法改正から、従来の対面での受付のほか、情報通言技術を活用し、テレビ電話等を用いて遠隔で宿泊者の確認を行う「玄関帳場代替設備」も、緊急時の体制を整えることを条件に許可。
旅館業には、「旅館・ホテル営業」と、カプセルホテルのような「簡易宿所営業」があり、国は、「玄関帳場」や「玄関帳場代替設備」の設置について、「旅館・ホテル営業」には義務付けており、「簡易宿所営業」には推奨。
本市においては、「簡易宿所営業」についても、「宿泊者の安全の確保」と「善良の風俗の保持」が非常に重要と考えており、条例において、設置を求めているところでございます。
【市議】
近年、他都市では、地域の活性化や空き家を利用して、まちを一つの宿と見立て宿泊施設と地域の日常をネットワークさせ、まちぐるみで宿泊客をもてなすことで地域価値を向上し、街の中にすでにある資源や街の事業者をつなぎ合わせ、そこにある日常を最大のコンテンツとすることで、利用者に地域固有の宿泊体験を提供し、街の住人や事業者には新たな活躍の場や、事業機会を提供することを目的とし地域活性をしている地域もある。
本市でも、宿泊者の安全の確保や善良の風俗の保持など多岐に渡り様々な問題や課題はあるが、
現状の本市における玄関帳場の対応では、イノベーションも生まれにくい状況。時代のスタイルに合った柔軟な検討も必要。玄関帳場の今後の対応について伺う。
【答弁】
近年、地域活性の機運も高まり、様々な形態の宿泊施設が開業されていることは認識。
今後、宿泊者の確認を行う技術の更なる進展状況や、他自治体の動向、社会情勢等を注視しながら、「宿泊者の安全」と「善良の風俗の保持」が確保されるよう、状況を見極めながら対応してまいりたい。
結果、「状況を見極めながら対応する」という回答に留まりましたが、「全く検討していない」という当初の回答から粘り強くアプローチしたことで若干前向きに変化しております。
私は直接議会で発言することは出来ませんが、引き続き行政との意見交換を重ねて玄関帳場の設置義務緩和に取り組み、適宜議員を使って議会でも取り上げていく予定です。
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