近年、全国各地で「危険な暑さ」が頻発しています。気象庁の統計によれば、日本の平均気温はここ数十年で明らかな上昇傾向にあり、特に夏季の猛暑日は年々増加しています。
一方、学校体育館は、多くの子どもたちが授業・部活動・集会などで長時間過ごす場所です。夏場になると、室温と湿度が急上昇しやすく、熱中症リスクが非常に高まる環境になりがちです。学校体育館は、平時は授業・部活動の場ですが、災害時には地域の避難所として活用されます。
だからこそ、平時だけでなく有事にも安心して過ごせる空調設備が不可欠です。体育館へ空調設備を備えることは、単なる快適性の向上ではなく、子どもたちと地域住民の命を守るインフラ整備であると強く感じています。
空調設備の低い設置率

全国の公立小中学校の体育館等における冷房(空調)設備の設置率は、22.7%にとどまっています。避難所に指定された学校に限ると、設置率は23.7%(参照:文部科学省・空調設備の設置状況調査実施)
一方、川崎市の学校体育館の空調設置率はさらに低く、約5.3%とのデータがあります。神奈川県全体で見ても、体育館の空調設置率は約14.6%。全国平均を下回ります。
このように、体育館空調の整備は全国的に遅れており、川崎市は特に遅れをとっている状況です。さらに、既存体育館の多くは断熱性能が十分でないため、空調効率が落ちやすいという課題もあります。このような設備不足のままでは、子どもたちはもちろん、災害時に避難者が安全・健康に過ごす場として機能できないというリスクがあります。
市民・教育・地域の声
- 体育館の授業は、子どもの熱中症が心配です
- 避難所が体育館だと聞くけれど、夏はその方が危険なのでは?
- 子どもたちの安全を考えると、体育館にもエアコンがあって当然だと思う
こうした声は、保護者や教育現場から数多く寄せられています。
近年の猛暑では、体育館内の気温が40℃近くに達することもあり、子どもたちはもちろん、高齢者や乳幼児を抱える家庭にとっても、避難先としての体育館が暑さの危険地帯になりかねません。
熱中症のリスクを減らすことは、教育環境を守るだけでなく、災害時の命を守ることにも直結します。
学校体育館へのエアコン設置
全国的にも体育館へのエアコン設置率は依然として低く、川崎市においても、普通教室の設置率がほぼ100%である一方、避難所となる学校体育館の空調整備は、まだ道半ばです。
しかし、災害時に地域の命を守る拠点となる場所こそ、最優先で快適かつ安全な環境が整っていなければなりません。
体育館への空調設置は、単なる快適さの問題ではなく、命を守る整備であり、同時に熱中症対策・避難所対策・教育環境整備の施策です。川崎を守る!災害対策で安心・安全な街・川崎へ。その実現に向けて、一歩ずつ確実に取り組みます。