日本は共産党に優しい国
共産党の思想をめぐって、既存の左派政党は常に共産党の肩を持つような発言、行動をしています。
こういった共産党関連の議論を見て毎回思うのは、日本は共産党に優しすぎるという事です。
資本主義圏の先進国の中で恐らく1番甘いのではないでしょうか。
例えば『ニューヨーク・タイムズ』の調査によると、程度は様々ですが、過去に共産党を非合法化していた国は、アメリカ、スペイン、韓国など約40か国に及びます。
違法ではないが、制限しているという国もヨーロッパ諸国をはじめ多数存在します。
現在では、ヨーロッパ諸国において共産党が点在していますが、日本共産党とは違ってマルクス・レーニン主義は捨てているなど、当初の「共産党」とはだいぶ変貌している状態です。
自由と民主主義を否定する共産党の思想から我々の自由と民主主義を守るため、欧米諸国をはじめとした国では日本と違い、国家として厳しい対応を行なってきた歴史があります。
主要先進国で共産党が国会で議席を持っている国は日本とフランスのみであり、「モスクワの長女」と呼ばれたフランス共産党ですら、イタリア共産党が党名を捨てたように、共産党の党名変更すら議論され、衰亡の危機にあります。
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実は危険な思想・共産主義
しかし、共産党や共産主義についてよく知らない人達は、「そうは言いつつも、日本共産党は平和的だし、日本の安定を望んでいるから日本では多いんじゃないの?」と思われるかもしれませんがそうではありません。
日本共産党は党の規約で
党は、党員の自発的な意思によって結ばれた自由な結社であり、民主集中制を組織の原則とする。(日本共産党規約第3条)
と述べており、2020年1月18日に改定された綱領では、
「日本共産党と統一戦線の勢力によって民主連合政府を樹立し、支配勢力の妨害や抵抗を打ち破るたたかいを通じて民主主義革命を達成し、その後社会主義的変革を行う。」(綱領の四、五を筆者要約)
国家権力そのものが不必要になる社会、人間による人間の搾取もなく、抑圧も戦争もない、真に平等で自由な人間関係からなる共同社会への本格的な展望が開かれる。(綱領より抜粋)
この変革は、生産手段の社会化を土台に、資本主義のもとでつくりだされた高度な生産力、経済を社会的に規制・管理するしくみ、国民の生活と権利を守るルール、自由と民主主義の諸制度と国民のたたかいの歴史的経験、人間の豊かな個性などの成果を、継承し発展させることによって、実現される。(綱領より抜粋)
と書かれています。
規約にある民主集中制というのは、「個人の意思と全体の意思の一致」が前提であり、独裁に繋がる全体主義的思想です。
フランス革命のロベスピエールもこの思想に似たルソーの「一般意思」の考えを根拠に独裁政治を行いましたし、民主集中制を行った各国共産党は党が硬直してイエスマンのみとなり、独裁体制となりました。
ソ連の独裁体制や中国の中国共産党独裁体制もこの民主集中制が根拠であり、これを党の規約に書いている日本共産党は、全体主義、独裁体制に繋がるような危険な思想を持ち合わせていると言っても過言ではありません。
そして、日本共産党は民主主義の中で革命を起こしたのち、社会主義革命を行うという2段階の革命論を述べています。
関連:現在も革命を目論む唯一の政党・共産党 ―日本共産党が目指す民主主義革命とはなにか?
また、生産手段の社会化に始まり、最終的には政府を無くして共同体社会を目指すこと、つまり共産主義社会を作り上げる事を主張している事からも、日本共産党は危険な政党だと思います。
そもそもマルクス・レーニン主義が「良い政治体制を作りだすもの」と実証されていないのにも関わらず、未だにそれを目指すというのは、科学的社会主義を名乗っておきながら全く科学的でありません。
日本はどうするべきか
米国駐日大使を務めたエドウィン・ライシャワーは、日本が「世界がかかえるもろもろの問題解決に参画し、役立っていくためには、これまで以上に意思疎通に熟達し、心底から他国民との共同体意識をもつ事が日本人に求められている。」と述べています。
つまり、
日本人は世界と共通感覚を持て!
と言われているのです。
保守主義の父エドマンド・バークは、
「社会は革命ではなく改革で変えるべき。」
と述べていますが、その通りではないでしょうか。
共産党の人たちの中で、共産主義や社会主義について良く知らずに、本当に社会を憂いて良くしたい、変えたいと願う人がいるのなら、「たたかい」によって革命を望む共産党ではなく、現実的な「改革」を目指す政党を支持するべきだと思います。
参考:日本共産党の正体
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PROFILE

- ブロガー大学生/バーテンダー
- 1999年生まれ、川崎市出身の大学生。明治大学文学部在学。趣味は歴史研究、読書、旅行。若者の政治参加推進を掲げて幅広く活動しながら、参議院議員の音喜多駿に憧れて政治について勉強中。2019年10月7日よりブログ毎日更新中。2020年10月より赤羽でBARをスタート。
“日本人は共産党について無知な故に甘い ―党の綱領を読み解くと見えてくる「危険な思想」とは” への1件のフィードバック