中国史における悪女・則天武后から考える、女性が政治権力を得る事が難しい理由
現代の日本社会において、女性の社会進出とは謳いつつも、意思決定の場に女性がいない事は多いかと思います。
特に政治の世界では、どこの議会を見ても女性はかなり少ないですよね。
そんな中で、現在成功している女性政治家と言えば、僕は小池百合子さんなのではないかと思います。一時期は、本当に小池さんに総理になって欲しいと思っていた時期もありました。笑
僕は小池さんについてあまり詳しくは知りませんが、悪女とは言わずとも相当癖のある人間だと思います。
女性はかなり癖のある人物でないと、男性社会の中で勝ち上がっていけないんですかね・・・。
歴史を見ていても、唐代の女帝・則天武后や劉邦の妻・呂后、清朝末期の西太后など、女性で権力を得た人物は皆悪女として描かれています。
今回はその中で、悪女としても政治家としても名高い則天武后について見ていき、成り上がる為には悪女に成らざるを得ない社会について考えて行きます。
則天武后の生涯
【中国史上唯一の女帝・武則天】子供を殺して頂点を極めた悪女の一生
中国の地方官僚の娘として育てられた則天武后は、その美しさ故に、14歳で後宮に入る事となります。
そして彼女はそこで成り上がる為、悪女としての本性を見せるのです。
まず、まだ幼い自らの子供を殺して、それを皇后の仕業に見せかけ、皇后を百叩きにして両手足を切断し、酒甕に放り込んで殺すことで自らが皇后になります。
そしてその後も、24歳になる優秀な息子を自分の権力を脅かす可能性があるとして毒殺し、夫(皇帝)の死後は他の子供を帝位につけて実権を握ります。そして、遂に民衆からの支持も得て皇帝となるのです。
彼女の成り上がり方はともかく、政治家としては優れた面も多く、最近の研究では評価される事も多い人物です。身分に関係なく実力主義で官僚を登用した事などはとても共感できますし、国内外の諸問題も多く解決に導いています。
女性の皇帝という、そもそも普通では考えられない特殊なバックグラウンドがあるからこそ、古いしきたりやしがらみにとらわれない政治が出来たのだと言えばその通りかもしれません。
歴史は脚色される
ここで語っている則天武后の悪行に関する話も、実際の所は尾ひれはひれが付け加えられ、脚色されている可能性があると思います。
政治の世界では様々な思惑によって「脚色」される事が非常に多いので、歴史ともなると尚更です。
恐らく、則天武后も含めて、悪女と評されている女性政治家たちは後世で脚色されて語られている程酷い悪女ではなくとも、男性社会で権力を得るために悪女に成らざるを得なかったのではないかと思います。また、則天武后も小池百合子もしかり、女性が立場の弱い社会の中で女性が成り上がっていく為には、自らの意向に沿わない者を消していく排除の原理はある意味必然なのだと考えられます。
そして周囲の人間たちは、古いしきたりや自分達の立場を守る為に、決まって女性政治家の姿を悪女として必要以上に誇張して描き「女に政治を任せると酷い事になるぞ」とアピールしていくのです。
僕は、そのような歴史や社会の中で、女性が政治の世界で生き残っていく為に、ある程度「悪女化」してしまう事は、男性が強い社会において仕方のない事だと考えています。
そして、正すべきは女性が活躍しにくい社会システムそのものなのではないでしょうか。
たまたま大学の授業で則天武后を扱っていたのでブログのテーマにしましたが、歴史を振り返りつつ、女性が純粋に活躍できる社会ってどうすれば実現できるんだろうと思いを巡らす今日この頃です。
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PROFILE

- ブロガー大学生/バーテンダー
- 1999年生まれ、川崎市出身の大学生。明治大学文学部在学。趣味は歴史研究、読書、旅行。若者の政治参加推進を掲げて幅広く活動しながら、参議院議員の音喜多駿に憧れて政治について勉強中。2019年10月7日よりブログ毎日更新中。2020年10月より赤羽でBARをスタート。