東京五輪もいざ始まってしまえば、やはり完全に日本中が五輪応援モードとなって来ました。
一部に過激な批判をされる方もいますが、国民の殆どは開催前の批判や懸念なんてどこ吹く風、「始まったら選手を応援して楽しもう!」といった雰囲気です。今まで東京五輪の開催に反対していた政治家ですら楽しんでる模様。
特に、昨日の卓球ミックスダブルス決勝は日本中が歓喜したと思います。
水谷・伊藤ペアの金メダル獲得はもちろん、それに至るまでの緊迫した熱いラリーの応酬は、誰もが緊張し、そして興奮して楽しむ事が出来たのではないでしょうか。個人的には、水谷さんと監督の倉嶋さんは明治大学のOBという事で、母校の先輩が大活躍して嬉しい限りです。笑
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この様に、東京五輪を応援して楽しむ雰囲気が国民感情として醸成されている中で、我々が忘れてはならない事が一つあります。
それは、スポーツや音楽などのエンターテインメントはこのコロナ禍の中で1年以上も「不要不急」とされ、国や自治体から厳しい締め付けにあっていたという事です。
例えば、2020年のライブ・エンターテインメント市場規模は過去最高を記録した19年の約8割減となる1,306億円と試算されています。
また、4月に公表した別の調査では、拡大が続いていた音楽フェス市場も19年度比約98%減となっているのです。(参考:ぴあ総研|ライブ・エンタテインメント市場規模)
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確かに、感染症対策の観点から考えればエンターテインメントに対する自粛の要請は間違っていないのかもしれません。
しかし我々は、コロナ禍で「不要不急」だと散々言われ続け、ろくな補償も打開策も打ち立てられず、二の次にされてきたスポーツやエンタメに励まされ、元気を貰って前向きな気持ちにさせてもらっています。
もしかしたら、コロナ禍で世界中が暗い空気になっている中で、最も必要なのがエンターテインメントなのかもしれないのです。
東京五輪を通して、その事を私は改めて考えさせられました。
そして行政や政治家は特に、エンターテインメントを軽視して「自粛」の一言で済ませて苦境に陥れるのではなく、その重要性や必要性を再認識して、いかに通常時に近い形でパフォーマンスを出来るようにするかを考えねばならないと思います。
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私が尊敬している元川崎フロンターレのプロモーション部部長の天野春果 さん(現在は東京五輪関連のプロモーションに従事)は、人間が生きる為に必要な電気ガスなどのライフラインに対して、人間が人間らしく生きる為に必要な物を「ヒューマンライン」と名付けていました。
例えば、芸術やファッション、映画や食、スポーツなどです。
そもそも、人の心を動かし、感情を揺さぶっていく「ヒューマンライン」は、果たして「不要不急」なのでしょうか。
私は、ライフラインもヒューマンラインも人が生活していく上で両立せねばならない重要な物だと考えています。
私以外にも、今回の東京五輪でアスリート達が与えてくれる感動と興奮によって、ヒューマンラインがいかに重要か、いかにスポーツやエンタメに我々の人生が支えられているかを感じる人も多いかもしれません。
感染症対策とエンターテインメントが両立する為にはどうするべきか、もっと政治や行政は真剣に取り組んで欲しいと願うと同時に、大変な状況でも我々に感動を与えてくれるエンターテインメントに感謝と敬意を持って、自分に出来る支援は行っていきたいと思います。
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